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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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タダマス、レコードプレイヤーの回転(1分間に33回転)に合わせ、メヴレヴィー教団の旋回舞踏を踊る  "TADA-MASU" Whirls Mevlevi Sema Turn Dance at the Same Speed as Record Player Turntable Spinning (33 per minute)
 多田雅範と益子博之がナヴィゲートするNYダウンタウンを中心とした現代ジャズ・シーンの定点観測「四谷音盤茶会(通称「タダマス」)」も、本日4月27日(土)で、いよいよ33回目を迎えることになる。昨年10月開催の前々回「タダマス31」がいささか不調で、どうしたことか心配させたが、その理由をあれこれ詮索したところ、当たらずとも遠からずで、やはりその回のみの特殊事情のせいだった。その証拠に後述する「タダマス32」はプログラム構成の鮮やかさと二度目のゲスト出演となる蛯子健太郎のコメントの深さが素晴らしかった。

 そして今回「タダマス33」のゲストは、何と森重靖宗を迎える。森重と益子と言えば思い出さずにはいられないのが、以前に益子が「タダマス」と同じ喫茶茶会記を舞台にプロデュースしていた橋爪亮督をフィーチャーしたライヴ・シリーズ「tactile sound」に森重が呼ばれた2012年2月22日の夕べのことである。「触覚で感じる、いま・ここで生まれる響き」を標榜し、即興演奏を展開しながらも、共演者の選択も演奏の肌触りも、1970年代ECM的な「ジャズ」色が濃かった場に、ソロやダンスとの共演を中心にフリー・インプロヴィゼーションに徹してきた森重が招かれたのは、まぎれもない「事件」だった。結果は、もう一人のゲスト中村真の貢献もあり、極めて充実した演奏となった。その顛末は拙レヴューを参照していただきたい(※)。
※ http://miminowakuhazushi.blog.fc2.com/blog-entry-286.html

 「タダマス」のゲストもまた、これまでジャズ演奏者というか、少なくとも「ジャズも演奏する」者たちから選ばれてきたことは確かだ。森重はここでも、そうした慣例を打ち破る初めての例となる。企画者である益子は「タダマス」告知ページ(*)で次のように述べている。
* http://gekkasha.modalbeats.com/?cid=43767

 ゲストには、チェロを中心とした即興演奏家の森重靖宗さんをお迎えすることになりました。世界中から来日する数多の即興演奏家たちと共演を重ねてきた森重さんは、現在のニューヨークを中心としたシーンの動向をどのように聴くのでしょう。お楽しみに。

 森重の演奏に対しては、その後、ますます演奏の焦点を絞り込み、とりわけデュオやトリオ演奏において、フレーズを排し音色を限定してサウンド・パレットを極端に「貧しく」し、応答のタイミングや出音の長短など、対話の相やレイヤーの重ね合わせに集中した「言語化」へと向かっているとの印象を持っていた。しかし、一昨年の10月にリリースされたソロCD『ruten』は、近接録音を駆使した苛烈極まりない、眼に痛いほど眩しいサウンドの爆発と閃くフレアに満ち満ちており(昨年聴いた作品のうちベストと言ってよい)、自身の演奏が洗練・枯淡へと向かっているわけではないことを鮮やかに示してみせた。そんな彼がどのようなコメントを披露してくれるか楽しみである。寡黙な集中に全編貫かれた演奏と異なり、アフターアワーズには和やかに会話に応じる彼のこと、きっと我々に新たな発見をもたらしてくれるだろう。

タダマス33フライヤー縮小

益子博之×多田雅範=四谷音盤茶会 vol. 33
2019年4月27日(土) open 18:30/start 19:00/end 22:00(予定)
ホスト:益子博之・多田雅範
ゲスト:森重靖宗(音楽家)
参加費:¥1,500(1ドリンク付き)



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