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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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複数の視点から from multiple viewpoints
 3月20日に綜合藝術茶房喫茶茶会記で行われた「Tactile Sounds vol.1」について私が書いたレヴューが、当日の記録として「Tactile Sounds」のブログに転載されることとなった。あわせて多田雅範によるレヴューも転載されているので、ぜひ次のURLでご覧いただきたい。企画者のひとりである益子博之撮影のライヴ・フォトも掲載されているので、私のブログで見るよりも、当日の様子がさらにわかりやすいと思う。

 http://com-post.jp/index.php?catid=2&subcatid=53

 こちらは転載されていないが、当日のライヴの様子については、喫茶茶会記店主による文言(http://gekkasha.modalbeats.com/?cid=42168)もあれば、ウッドベーシストの「たけっち」さんによる感想(http://blog.livedoor.jp/bamboobass/archives/1576118.html)もある。読めば、それぞれがそれぞれに充実したひとときを過ごしたことがわかるが、その感じ方/とらえ方は、当然のことながら異なっている。「ブログに書く」となると、無意識のうちに読者の眼を意識してしまったりもするので、どうしてもある枠がはまってくるのだが、それでも自ずと視点の違いが浮かんでくる。 ましてや、その間に各人が実際に何を見て、何を聴き、何を思ったかは、さらに千差万別異なっていることだろう。

 そうした差異を都合よく抹消して、「同じ感動を分かち合った」などとは言いたくない。リヴィング・ルーム程度の部屋に居合わせても、それぞれ感じ方が違うことにむしろ意義を見出したい。それは個性とか、解釈とか、どちらが正しいとかいう問題ではなくて、そうした複数の視点からはじめて浮かび上がること、そうした複数の視点からしかとらえ得ないことがあると改めて確認したいだけなのだ。

 幸いにも、ここに採りあげた4人は、クラシック・コンサートの演奏会評によくあるように、演奏者の経歴(文化的出自を含む)とか、これまでの評価とかに、自らの評を着地させようとはしていない。それぞれが、そうした権威的な根拠を持たない自分なりの言葉で、充実したひとときを与えてくれた音/響き/空間に礼を返そうとしている。ここで連ねられた言葉の匂いや手触りには、それぞれが当日体験した音/響き/空間の色合いや温度、肌触りや香りが確かに映り込んでいる(もちろん一部に過ぎないのだが)。それを照らし合わせ、透かし見ることによって、そうした音/響き/空間が一体となった当日のあり様がホログラムのように浮かび上がりはしないだろうか。とりわけ、幸運にも当日そこに居合わせた者にとっては、これらの言葉と自分の記憶とが干渉しあい、より豊かな文様を多面的に描き出すことだろう。



ライヴ開始前のがらんとした空間。
しかし、もうそこには淡い響きがたゆたっている。

(C) hiroyuki masuko
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ライヴ/イヴェント・レヴュー | 22:42:36 | トラックバック(0) | コメント(0)
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