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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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ジャチント・シェルシ/山羊座の歌(完全版)  Giacinto Scelsi / Canti del Capricorno 1962-1985
 「アヴァン・ミュージック・ガイド」(作品社)で「声のパフォーマーたち」の章を担当した時、16枚のディスク・ガイドのうちの1枚として、平山美智子によるGiacinto Scelsi 「Canti del Capricorno」(Wergo)を選んだ。まさに声の深淵を指し示す未踏の達成として。


 メレディス・モンクの声が、常にダンサーの引き締まった身体と動きを感じさせるのに対し、ここで繰り広げられているのは、そうした明確な輪郭を欠いた原形質のうごめきである。平山美智子による声の探求とは、巫女の口寄せにも似て、無意識の深奥からアモルフな「原声」(それは集合的な多声のざわめきにほかなるまい)を汲み上げるための内部への沈潜にほかならない。それゆえに放たれる声は、生理的な生々しさをたたえながらも、げっぷまで動員するフィル・ミントンの猥雑なグロテスク・リアリズム(飲食/排泄中心の下半身的身体像)とは異なり、焦点を欠いたまま決してひとつの像へと収斂しようとしない。一音の深奥を凝視し続けたジャチント・シェルシがそこに見出していたのも、整序された倍音体型などではなく、こうした決して統合などできない分裂した断片のうごめきだったのではなかろうか。


 その時、私は彼女の歌う「山羊座の歌」に、南方熊楠が見詰め続けた粘菌の分岐しながらふるふると震えるゆるやかな流動を見ていた。

 その平山美智子が来日し、「山羊座の歌」の完全版を日本初演すると言う。これは何をおいても駆けつけなければなるまい。さらに驚いたことには平山美智子によるレクチャーも開催される。


eX.17 「シェルシ/山羊座の歌(完全版日本初演)~平山美智子を迎えて」


ジャチント・シェルシ/山羊座の歌(完全版日本初演)
2011年6月3日(金)
19:30開演 19:00開場  @杉並公会堂・小ホール
3000円(全席自由)
平山美智子(vo)
大石将紀(sax),溝入敬三(cb),神田佳子(perc),稲野珠緒(perc),有馬純寿(sound)

予約・問合せ:eX.事務局 tel 090-9824-1982 mail actionmusic@ktj.biglobe.ne.jp

experiment プレレクチャー
2011年5月28日(土)
14:00~16:30 @K2 studio(仙川)
1000円(先着30名、予約者優先)
予約・問合せ:同上


コンサートレクチャーのチラシ(クリックで拡大)
 


前掲のLP(1982年録音)に続く
平山美智子による「山羊座の歌」
2回目の録音(2006年)。
完全版を収録。同じくWergoから。

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ライヴ/イヴェント告知 | 22:33:44 | トラックバック(0) | コメント(0)
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