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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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批評のチカラ-多田雅範の耳の旅路がとらえた風景2-
 前回アップした「勢いあまって踏み外す-多田雅範の耳の旅路がとらえた風景-」に対し、多田自身が早速「Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review」でレスポンスをくれた(*)。
*http://www.enpitu.ne.jp/usr/7590/diary.html

 彼は「パリ・ダカール・ラリー」のくだりを大層気に入ってくれたようだが(笑)、それはさておき、批評において飛躍や逸脱(たとえそれが束の間の誤りだとしても)、問題を外部へと開くことの重要性を、彼ならではの仕方で改めてとらえ、再度見詰め直している。

 今回の彼のレスポンスをぜひご一読いただきたい理由はそれだけではなく、私がごく簡略化して紹介した「石造りの地下のスタジオ」や「ノルウェー大使館のビヨルンスタ」のエピソードが原テクストへのリンクにより、多田によるオリジナルな語り口で読めることだ。いわば非常にコンパクトに圧縮された「多田雅範選集」とも言うべきこれらのテクストを、ぜひお読みいただきたい。

 そうすれば「批評のチカラ」がわかるだろう。批評とは決して作品の背景情報や出来の良し悪しだけを取り扱うものではなく、作品や演奏、さらには他の様々な出来事との不可避の出会いを通じて、生きることの喜びや悲しみの奥深くにまで、その眼差しを届かせることができる。それはひとりの人間の人生の狭く限定された範囲を軽々と越えて、共感や驚き、感動の波紋をどこまでも広げていく力を持っている。そのことが晦渋さとはまったく無縁な、とてもしなやかなわかりやすさで示されているのが、これらの文章で読める通り、多田の真骨頂にほかならない。


  
多田の耳はあきれ果てた長距離を走破する。悪路なぞものともせずに(笑)。
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批評/レヴューについて | 13:28:25 | トラックバック(0) | コメント(0)
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