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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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「タダマス」のパン屋の1ダース  Baker's Dozen for "TADA-MASU"
 益子博之と多田雅範がナヴィゲートするNYコンテンポラリー・ジャズ・シーンの定点観測「四谷音盤茶会」も、早いものでもう13回目。なんと4年目に突入した。確か始めたばかりの頃、聴衆は3人くらいで知り合いばかり。日曜夜のいい時間帯を押さえながら申し訳ないと詫びる益子に対し、綜合藝術茶房喫茶茶会記店主の福地は、ともかく3年続けてみてほしいと語ったと、確か以前に聞いたことがある。

 危ぶまれた集客も、最近は順調に2ケタをキープし、東京に居ながらにして、彼の地の最先端の動向を蝕知できる希有なイヴェントとして、評価が定着しつつあるように思う。毎年NYに定点観測に通う益子のセレクションは、シーンの動向を的確にとらえてみせる。
 もうひとつ重要なのは、単にあらかじめ選ばれた作品がプレイされるだけではなく、相方である多田、そして毎回異なるミュージシャンをゲストに迎え、その三つどもえのやりとりを通じて、作品を、演奏を、音を聴くこと自体を、深く探り当ていくことにある。その中で浮かび上がるのは、個々人の耳のとらえる風景の差異であり、それをもたらす耳の視線の「視差」である。こうした分析を通じて、作品名とかアーティスト名といったインデックス情報の消費にとどまらず、聴くことそのものが毎回みずみずしく生成して来るプロセスに立ち会えるのは、聴き手のひとりとして大きな驚きであり、もちろん喜びである。

 最近アップされたmusicircus「2013年に聴いた10枚」の益子によるセレクション(※)を、ぜひご覧になってみてほしい。ここに記されているのは、益子が選盤の時に聴きとった響きだけではなく、その後の四谷音盤茶会での「上演」を通じて、複数の耳の視線に晒され、多田やゲストのコメントを刻み込まれた結果であり、そうしたプロセスの集積が、聴取を重層的なものにしていることがわかるだろう。
※http://homepage3.nifty.com/musicircus/main/2013_10/tx_7.htm


 もう明日となってしまったが、この貴重な機会をぜひお聴き逃しのないよう、各自万難を排して駆けつけられたい。フライヤー掲載のプロフィール写真をわざわざ更新して(撮影:原田正夫)、4年目に臨む彼らの意気は高い。

 以下は益子によるイヴェント告知からの転載。
 http://gekkasha.jugem.jp/?cid=43767
 なお、多田雅範による告知記事もぜひ参照していただきたい。四谷音盤茶会での彼はもっぱらボケ役を自認しているようだが、いやいや、その前後の脈絡を断ち切るような断言の威力は凄まじい。それは慣習的な「ジャズ耳」の更新というような、これまでの地続きにあるものではなく、むしろ地球外から来た異星人の眼差しのようなところがある。あるいは周回軌道に乗らない「ほうき星」のように、核心を掠めながらたちまちのうちに彼方へと遠ざかる軌跡。その「無頼派」的破壊力が、益子の「構築性」を巧まずして照らし出し、また組み替えを迫る。その様は実にスリリングだ。
 http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=7590&pg=20140421


masuko × tada = yotsuya tea party vol. 13: information
益子博之×多田雅範=四谷音盤茶会 vol. 13

2014年4月27日(日) open 18:00/start 18:30/end 21:30(予定)
ホスト:益子博之・多田雅範
ゲスト:服部正嗣(ドラム・パーカッション・エレクトロニクス奏者/作曲家)
参加費:¥1,300 (1ドリンク付き)

今回は、2014年第1 四半期(1~3月)に入手したニューヨーク ダウンタウン~ブルックリンのジャズを中心とした新譜CDをご紹介します。13年の総括でもお話しした、周辺領域との境界の曖昧化、スタイルのポップ化はいよいよ顕在化の度を強めているようです。

今回はゲストに、ドラム・パーカッション・エレクトロニクス奏者/作曲家の服部正嗣さんをお迎えすることになりました。ジャズ、即興、エレクトロ、ロック、ポップスとジャンル無用の多彩なプロジェクトで活躍する服部さんは、現在のNYの動向をどのように聴くのでしょうか。お楽しみに。(益子博之)

タダマス13
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ライヴ/イヴェント告知 | 17:26:28 | トラックバック(0) | コメント(0)
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