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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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サイモン・フィンにかけられた双子の呪い  Twins' Curse on Simon Finn
 以前にこのブログに、英国の「伝説のアシッド・フォーク・シンガー」サイモン・フィン(Simon Finn)について書いた際、かつては幻のレゴートだった彼の第1作『Pass the Distance』のレコード・ジャケットのイラストにはおそらく元ネタがあり、「どうも子供靴の広告の図柄らしいのだが確認できなかった」とした(*1)。
*1 http://miminowakuhazushi.blog.fc2.com/blog-entry-86.html#comment18
  

 これに対し、さいとうさんという方がありがたいことに「元ネタ発見!」のコメントを、ブログに寄せてくださった。それ(*2)を見ると「START-RITE」という子供靴専門メーカーの広告キャラクターで、英国人のノスタルジアをかきたてるほど深く浸透しているイメージらしい。
*2 http://www.sterlingtimes.co.uk/memorable_images66.htm


この靴メーカー自体が19世紀末の創設で、現在の社名になったのが1921年、そして件の「双子キャラ」は何と1936年から使用されているらしい。ぜひ次のSTART-RITE斜の歴史紹介動画(*3)を参照してほしい。「双子キャラ」にはいろいろヴァリエーションがあって、月旅行したりもしている。巧妙なパクリというか、パロディ満載のサウンドトラックも楽しい。
*3 https://www.youtube.com/watch?v=HUzUmdgiJbI


 ‥で、なぜ、この図柄がジャケットを飾ることになったかだが、「folk radio uk」の記事(*4)によると、「サイモン・フィンがレコーディング・スタジオのそばで、この双子キャラの広告ポスターが貼ってあるのを見かけたからだ」という。確かに『Pass the Distance』というタイトルと「(Children’s Shoes) Have Far to Go」というコピーは見事に響きあう。しか、案の定START-RITE社からはクレームをつけられ、作品は廃盤の憂き目を見ることになってしまう(もちろん、そのせいだけではないだろうが)。
*4 http://www.folkradio.co.uk/2011/11/simon-finn-anniversary-show-london/


 先のブログ記事にも書いたように、以前には伝説のように囁かれていた「デヴィッド・トゥープ(David Toop)の参加」も本人が事実と認めたし、作品も正式に再発されたしで、めでたしめでたしなのだが、しかし、改めて次のことは指摘しておきたい。本作は「幻の名盤」の再発としてサイケやアシッド・フォークのマニアに独占させておくのではなく、より幅広く聴かれるべき作品にほかならない。そのためには、そうした呪われた伝説の囲みを破って、作品を外へと開いてやらねばならない。先のブログ記事執筆の狙いは、まさにそこにあった。ぜひ、本作品の素晴らしさに一度耳を傾けてみていただきたい。



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音楽情報 | 01:16:42 | トラックバック(0) | コメント(0)
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