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福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

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タダマス「セヴンティーン」を読む  "TADA-MASU" Reads "Seventeen" and "Death of Political Youth" by Kenzaburo Oe
 益子博之と多田雅範がナヴィゲートするNYコンテンポラリー・シーン最先端の定点観測『四谷音盤茶会』(通称「タダマス」)も17回目を迎える。まずは基本的な情報を確認しておこう。なお、詳細は次のURLで各自ご確認いただきたい。
http://gekkasha.jugem.jp/?cid=43767


益子博之×多田雅範=四谷音盤茶会 vol. 17

2015年4月26日(日) open 18:30/start 19:00/end 22:00(予定)
ホスト:益子博之・多田雅範
ゲスト:山本達久(ドラム・パーカッション奏者/作曲家)
参加費:¥1,300 (1ドリンク付き)

今回は、2015年第1 四半期(1~3月)に入手したニューヨーク ダウンタウン~ブルックリンのジャズを中心とした新譜CDをご紹介します。
ゲストには、ドラム奏者/作曲家、山本達久さんをお迎えすることになりました。ジム・オルークに“No.1ドラマー”と讃えられ、歌物からアヴァン・ロック、完全即興まで幅広いジャンルで横断的に活躍している山本さんには、DJ ECMとしても活動するディープなECMファンの貌も。近年のECMは、改めてNYのミュージシャンを積極的に録音していますが、山本さんはそうした動きをどのように聴くのでしょうか。お楽しみに。(益子博之)


 前回の16回目で2014年を締めくくった彼らは、2015年の第1回目にあたり、どうも「爆弾」を仕込んでいるらしい。まずは多田による説明(※)を聞いてみよう。
※http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=7590&pg=20150418より転載

さあ、みんな、ゴールデンウイークの天国を目前に、地獄の釜を覗きに来ないかい?
タダマス17へのご案内。
田中泯の自在をトーマス・モーガンに視る、などとホントウのことを言ってはいけないのだが、3年前の菊地雅章TPTトリオ来日公演以来、音盤としては新世紀の扉を瞬間垣間見せた『サンライズ』ECM以来、の、菊地雅章レコーディングを本邦初公開することができる。これがECMからのリリースじゃないのだ。
だいたいECMは菊地雅章と専属契約をしたはずなのに3年以上セカンドを制作していない。
ピアノ・トリオをベース2台にするというカルテット、単純なのに「その手があったか!」という編成で。
この集中した強度のジャズを、知らない。
一音で、一撃で、放たれる、兆候だけによる殺し合い。・・・何を言っているのだ。真の武道家は、ほんのわずかな兆候だけで、相手の攻撃の射程を読み切る、読み殺す。棋士は、ひとつの駒の動きから前後十数手の射程を読み切る、読み殺す。その音は、その音だけではない。前後の音との間合い、相手の音との無限の可能性と偶然と必然の驚愕、の、持続・・・。・・・これまた何を言っているのだ。
これを聴くと、他のジャズは、説明しすぎ、くだらないことを喋りすぎ、言いわけだらけ、クリシェのかたまり、時間の浪費に、ほんとうに付き合ってらんない。トーマス・モーガンは神だ。共演する者はみんなわかっている。
ベース2台とは、怖ろしい。おれはこのCDのワントラックを聴くたびに、集中聴取に壊れそうになってしまう。明滅する画像処理だ。ほかの音楽ではこういう体験ができない。


 『サンライズ』のトリオ、すなわち菊地雅章(p)、トーマス・モーガン(cb)、ポール・モチアン(dr)はモチアンの死去により来日を果たせず、代わりに日本で演奏したのは、モチアンをトッド・ニューフェルド(g)に入れ替えたTPTトリオだった。このトリオのライヴについて、多田は次のように書いている。

若き新皇帝トーマス・モーガンはやはりそのとおりであった。どんなシチュエイションにあっても、音を読み、共演者に解放されたスペースを提供する、いやそういう言い方は適切ではないかもしれない、リアルタイムにワンタッチで見事なシュートチャンスを作るミッドフィルダーでありながら同時に裏をかいてくぐり抜ける彼のラインを描いてもいる。彼の聴力と身体能力は21世紀のジャズをリレーしてゆくことだろう。トッド・ニューフェルドのギターは、集中と痙攣と連鎖の特質で、ラインを形成するよりは一瞬に賭けている。コードワークに遊んだり早弾き見せもしない。主にプーのピアノに触発を与えている。


 こうして見てくると、菊地雅章クワルテットによる新譜のカギがドラムにあることが浮かんでくる。TPTトリオでは外されたドラムが今回の新作では戻り、代わりにベースが2人編成に増強されている。しかもリリース元はECMから他レーベルへと移行している。
 今回のゲストがECMに詳しいドラマーの山本達久という人選は、まさにこの盤のために用意されたもののように思えてくる。これは楽しみだ。果たして、この盤を巡り、どのような見解がやりとりされるのか。あるいは皆、腕組みをしたまま黙り込んでしまうのか。いずれにせよ、自分の眼と耳で確かめに行くしかあるまい。

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ライヴ/イヴェント告知 | 21:54:24 | トラックバック(0) | コメント(0)
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