■プロフィール

福島恵一

Author:福島恵一
プログレを振り出しにフリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽など辺境を探求。「アヴァン・ミュージック・ガイド」、「プログレのパースペクティヴ」、「200CDプログレッシヴ・ロック」、「捧げる-灰野敬二の世界」等に執筆。2010年3~6月に音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)を開催。2014年11月から津田貴司、歸山幸輔とリスニング・イヴェント『松籟夜話』を開催中。

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリ
■リンク
■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

触覚の音   Tactile Sounds
 明日、3月20日(日)午後3時から、注目すべきライヴが行われる。サックス奏者/作曲家である橋爪亮督(はしづめ・りょうすけ)とNYダウンタウンの先鋭にスポットを当てて音楽批評を進める益子博之(ますこ・ひろゆき)の2人が企画する「Tactile Sounds」の第1回目である。



Tactile Sounds Vol. 01:3月20日(日)
Vol.01 :3月20日 (日) open 14:30/start 15:00

橋爪亮督 - tenor & soprano saxophones
市野元彦 - guitar
吉野弘志 - double bass

■会場
綜合藝術茶房 喫茶茶会記
東京都新宿区大京町2-4 1F 〒160-0015
http://sakaiki.modalbeats.com/

■料金  ¥2,800(1ドリンク付き)

■予約・お問い合わせ
綜合藝術茶房 喫茶茶会記
mail:sakaiki@modalbeats.com(標題をtactile sounds vol.01としてください)
tel:03-3351-7904(15:00~23:00)
※なお、会場の都合でご予約は先着30名様で締め切らせていただきます。



 以下はフライヤー裏面(左)に記載された益子博之による前口上のテキスト。


音は、空気の振動です。
本来、音楽は身体全体の肌で感じることができるものだったはずです。
ところが、iPod等のヘッドフォンを通じて聴く音楽は、 残念ながら小さな耳穴の中だけに閉じこめられてしまっているのです。
たった今、そこで生まれたばかりの生きている音を、肌で感じたい、感じて欲しい。

tactile sounds 〜触れ・逢う・響き〜

「tactile sounds」とは、「触知できる音」「触覚で感じる響き」......
触れられるような距離で音とその空間の響きを聴くこと、感じること。

耳で聴いてはいても、視覚的に音楽を捉えるような習慣を一旦止めて、 皮膚感覚、肌の触覚を通じて捉えるような音楽の聴き方をしてみること。
音楽家同士の、音楽家と聴き手の、聴き手同士の、異なる感覚が出逢い、触れ合い、響き合うことで、互いの肌を通じて届くような音楽を生み出す場所と時間となること。
「tactile sounds」という言葉には、そんな私たちのささやかな願いが込められています。



 橋爪亮督の演奏については、以前から彼に注目していた多田雅範のレヴューをJazz Tokyoに連載のコラム「タガララジオ」第17回から引用しよう(http://www.jazztokyo.com/column/tagara/tagara-17.html)。


Jugo-ya Moon on 15th Night (Ryosuke Hashizume) / Ryosuke Hashizume Quartet Live at Pit Inn on September 26th, 2010

記念すべき100曲目に偶然入手することができた橋爪亮督グループの9月26日新宿ピットインでのライブ音源の。

橋爪亮督 (ts,ss,loops)
市野元彦 (el-g, electronics)
吉野弘志 (b)
橋本学 (ds,per)

「十五夜」と題されたトラック。

ベースのつまびきに続いてカチャ、カチャと金属音、この打音の空間が支配するしじまの交感に彼らは揺れるトーンで漂い、じきに時間が静止する。
響きの断片だけが置かれる。そこでは梵鐘が鳴っているようだし、遠く山の向こうからの空気が振動してくるようだし。密教寺の儀式とも東大寺の修二会とも地続きだ。

14分38秒。

橋爪亮督のサックスが世界標準化したことは認知していた。トリスターノ学究を経てポスト・マーク・ターナーへ至る歴史的必然をまとった独特なトーンは、おれはそのままニューヨークに行ってターナーとツインでポール・モチアンとヴィレッジヴァンガードに立つものだと思っていたが、この現代ャズ不毛の日本において、これまた市野元彦というポスト・ビル・フリーゼルを世界標準でになう天才、天才は天才は知るのである、さっき荻窪ベルベットサンで市野元彦・渋谷毅・外山明トリオを聴いて激しく納得したが、と、橋爪はすごいグループ表現を拓いていた。

ニューヨークにしかないと思っていた現代ジャズが、日本人の歴史的な感性の現代化とのアダプトを果たせるなどと誰が想像できただろう。そう、まさに「侘び寂び」の世界だ。十数年前、橋爪はガルバレクが好きだと言っていた。おれはもうガルバレクの壮大な歩みは見届けたような気分でいるけど、それにしても橋爪亮督はすごいところまで来てしまったものだ。



 一方、 益子博之の耳と眼差しがどこに向けられているかについては、musicircusに掲載した「2010年に聴いた10枚」が雄弁に語ってくれることだろう。参考にリストを以下に転記しておく。http://homepage3.nifty.com/musicircus/main/2010_10/でジャケット写真とレヴューを見ることができる。

1.Chris Lightcap's Bigmouth : Deluxe
2.Gerald Cleaver Uncle June : Be It As I See It
3.Ches Smith and These Arches : Finally out of My Hands
4.Dan Weiss Trio : Timshel
5.Rob Garcia 4 : Perennial
6.Jacob Anderskov : Agnostic Revelations
7.Benoit Delbecq Trio : The Sixth Jump
8.Hugo Carvalhais : Nebulosa
9.Ben Monder / Bill McHenry : Bloom
10.Michael Pisaro : A Wave and Waves

 NYダウンタウンの趨勢にフォーカスしながら、Benoit Delbecqやエレクトロ・アコースティック系の演奏への目配りも欠かさず、Michael Pisaroもちゃんと押さえているあたり、彼の耳の幅広い指向性と柔軟さ、そして対象を射通す視線の強度を感じ取ることができる。彼が音に感じている「触覚」と私の言う「触覚」とは、おそらく異なっているのだが、そのこと自体が「触覚」の持つ原初的な茫漠とした厚みやとらえとせころのない幅広さ、多面性を表しているだろう。



 ライヴについて詳細は以下のURLをご参照いただきたい。演奏者のプロフィールなどのほか、今回の悪条件の下にライヴを敢行する彼らの想いを伝えるメッセージも読むことができる。
 http://tactilesounds.dtiblog.com/

 
スポンサーサイト


ライヴ/イヴェント告知 | 21:40:05 | トラックバック(0) | コメント(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad